銀行業界のビジネスモデルが問われている。 たとえば地銀の4割で、本業は赤字続きになっている。金融庁も、ビジネスモデルの変革を求めているが、どう変革するのかはまだ見えない状況だ。
高収益経営で注目されていたスルガ銀行も、シェアハウス融資に関する不正で揺れている。高収益が不正に支えられていたとしたら、それはビジネスモデルではない。
そんな中、富士通が銀行の将来のデジタル活用について提案している。
デジタル変革による新ビジネスモデルについて、3つ提示されている。
1) 従来型の銀行ビジネスを大きく変化させることなく、デジタル技術によって顧客経験価値や利便性を高め、より効率的なサービスを提供するビジネスモデル
これは基本、ビジネスモデルの変革はせず、利便性を高める戦略。具体的にはスマホアプリの提供により、振込などの利便性を高めるというようなことだろう。
2) 銀行ビジネスに必要な機能や業務サービスをプラットフォーム機能としてAPIで提供するバックエンドに特化したビジネスモデル
よく例として出されるのが、ゴールドラッシュでやってきた人たちにジーンズを販売したケースだろう。AlipayやWechat Payというサービスの裏には、銀行のインフラが動いている。台頭するFinTech企業のバックエンドを支えることで、不確実性の高いFinTech領域で、リスクを避けながら事業を行うことが可能だろう。
3) バックエンドのプラットフォーム機能を他の銀行から調達し、デジタルチャネルや物理店舗などを駆使してお客様に密着したサービスを提供するフロントエンドに特化したビジネスモデル
これは逆に、バックエンドを銀行から調達してサービスを提供するパターン。ベンチャーなどが、自社でインフラを持たずに事業を立ち上げるイメージだろう。もうひとつは、他の銀行のインフラを使うことで投資を減らしながら、店頭などでの顧客接点にフォー化するやり方だろう。
今の経営陣は、こうしたビジネスモデル変革の決断が迫られているのだろう。