iPhoneはauの30GB、iPadはDoCoMoの30GBを契約してテザリングしているが、それでも使い切ってしまうので、先日Fuji Wifiの、データ量制限のない「いつも快適」プランを契約した。これで実質的に、使いたい放題である(実際には300GBを超えると速度制限がかかるらしいが、さすがに300GBは使わない)。
こうした環境を整えて思うのが、テレビ放送のかったるさだ。そもそもテレビは手元にないし、つけたら番組の途中だし、巻き戻しもできない。しかもどのチャンネルも同じようなことを同じタイミングで放送していたりする。
しかも、放送法でさまざまな制約を課せられている。スポンサーの意向もくまなくてはならず、面白い番組をつくるための連立方程式がどんどん複雑になっている。一方のネット動画といえば、その無法ぶりがすごい。『クッキング・ハイ』などはその一例だ。
そんななか民放は、NHKのネット同時放送にいちゃもんをつけている。民放はネットになぜ行かないのか、多くの人が疑問を呈している。
実際には、ネットに言い訳程度に進出して比較的ゆるやかに衰退していくのではないだろうか。そのひとつが、オンデマンド対応である。リニア配信が前提となっている業界構造では、オンデマンド対応が(技術的にではなく、心理的に)ハードルが高いのではないか。(DVD販売など二次収益を得ていたドラマなどのコンテンツを除き。)
一時期AbemaTVを見ていたが、そのポテンシャルはリニアではなくオンデマンドにあるように思った。実際の数字もそう動いている。これは大きな変化だ。つまり、暇つぶしにながら視聴しているのではなく、はっきりと目的視聴しているということを示している。
2017年6月時点ではリニア視聴のみが77%で、リニア+オンデマンドが23%だったが、2018年6月時点ではリニアのみは36%、リニア+オンデマンドが62%と逆転している。
ワールドカップのようなリアルタイム性の重要なものは、放映権を獲得した放送局が強みを持つだけであり、これはネットであろうと地上波であろうとあまり関係ない。
問題はアーカイブのオンデマンド視聴である。この分野で、テレビ局の、そのときに視聴率を取れればよいというようなつくりのコンテンツ(バラエティなど)では、正直オンデマンドニーズを満たすことはできない。
現状のテレビの放送のような、テレビCMまでの引き伸ばしで「10秒後!」みたいなことをやっているコンテンツはどんどん淘汰される。ながら視聴に対応したいままでのやり方を続けていくテレビ局が生き残れるとは思えない。
通信ビジネスモデルにおける放送サービスは、目的視聴に対応したしっかりとしたコンテンツが残る(Content is King! )という、あんがい悪くない世界かもしれない。