次世代のビジネスモデル・アーキタイプ

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ビジネスモデル・キャンバスと、STP、4P、VRIO分析などの既存フレームワークを組み合わせる方法

最近、マーケティング研修を行う代わりに、ビジネスモデル研修で代替する動きが出てきている。ただ、完全にビジネスモデル一辺倒ではなく、従来型のマーケティングのフレームワークを紹介してほしいというオーダーである。

ビジネスモデルはもちろん、そのなかにマーケティングが含まれている。そこまでスムーズに展開していくロジックがこちら。

まず、ビジネスモデル・キャンバスがふたつの経営戦略の流れを受けているという話をする。右はポジショニング派、左はケイパビリティ派である。

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そのうえで、まずポーターのいうポジショニング戦略をみていく。

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もちろん、この四象限だけでマーケティングは語れないので、古典的なマーケティング戦略から施策立案までのプロセスを紹介する。

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このなかで、STPと4Pは、ビジネスモデル・キャンバスにおいて、次のように位置づけられる。顧客(市場)をセグメンテーションし、そのなかでターゲットを選定する。そのうえで、自社の価値提案のポジショニングを策定していく。4Pは、VP、RS、CR、CHの各ブロックに位置づけられる。ビジネスモデル・キャンバスの構築は、(古典的)マーケティングの要素を網羅していることがわかる。

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一方のVRIO分析は、このなかで特にR(希少性)、I(模倣困難性)に着目する。ビジネスモデル・キャンバスに描くべき要素は、このVRIOに該当する資源なのである。

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キャンバス上にあえて位置づけてみると(やや無理があるが)、このようになる。Oの要素は、価値提案への結びつきの強さと言い換えて、説明を行っている。

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このように、既存の分析フレームワークをビジネスモデルに紐づけていくと、それまで個別に行っていた分析が、一枚のビジネスモデル・キャンバスに統合されて一覧できるというインパクトが生まれるのである。