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トヨタ、ソフトバンク提携に見る産業革命以降の3つのビジネスモデルの世代

トヨタとソフトバンクの提携のニュースには驚いた。トヨタのディーラーでauを扱っているように、KDDIの前身となるIDOを子会社として抱えていたトヨタは、KDDIとの関係が深い。そのライバルでもあるソフトバンクと提携するのだから、並大抵のことではない。

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ただ、KDDIとソフトバンクが本当にライバル関係と言えるのか。度重なる大型買収の中で、ソフトバンクの事業領域は大きく広がっている。ここ10年間を見ても、競争軸が大きく変化してきている。

その変化を見るのに、ビジネスモデルを世代として切り分けるとわかりやすい。上記の記事にあるように、産業革命以降のビジネスモデルの世代として、まずフォード・GM方式とトヨタ生産方式の違いが挙げられる。

T型フォードのように、単一商品を大量生産することによって実現した効率性は、しかしトヨタ生産方式の資金効率はかなわない。トヨタ生産方式のジャストインタイムを物流に適用したコンビニは、それまでのスーパーに対して「数百倍」もの資金効率を実現している。そして時代はさらに進み、そこからさらなる資金効率を実現するビッグデータによるサービス化が進んでいる。インターネット事業は、さらなる資金効率を実現している。

第一世代のフォード・GM方式、第二世代のトヨタ生産方式の世代の違いをそのまま通信事業者に当てはめるのはやや無理があるが、固定電話・通信の時代は、おおよそフォード・GM方式のような通信インフラの「大量生産・大量消費」による低価格化は、基本的にはモバイル事業も変わらなかった。しかし、徐々に「必要なものを必要なタイミングで」というジャストインタイムの即時性、柔軟性が求められるようになり、Amazon Web Service(AWS)のようなオンデマンドサービスが台頭してきた。そして、第三世代は、その上のサービスレイヤーということになる。

今回の提携は、第二世代の雄であるトヨタと、第三世代のソフトバンクの連携ということになろう。

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