アムステルダムの運河でのごみ釣りツアーがあるという。参加費は30ユーロ(3900円)。本来であれば事業者にお金を払って行う作業を、ツアーに仕立ててしまうというアイデア。
参加者と会員企業は年を追うごとに拡大し、ボートは11台に増えた。1台あたり8000本のペットボトルが必要になるという。事務所には社員12人を抱え、これに加えてフリーランスの船頭40人がツアーを支える。これまで運河からすくい上げたペットボトルは累計13万本。年内にはツアーの参加者が延べ1万5000人に達する見通しだ。
草刈りをコンペティションにしてしまう「草刈りオリンピック」のようなアイデアもある。普段、だれもが嫌がる作業を、お金を払ってでもやりたいものに変えてしまうというのは、まさに逆転の発想。
私の関わっている日本遺産にも応用できそうだ。文化財の保護についても、さまざまなボランティアによる作業が行われているが、ツアーに仕立てられないかということも思ったりする。北川村の「モネの庭」マルモッタンでは、睡蓮の植え替え体験が行われたが、これを広げていける可能性はありそうだ。これも、2500円の参加費を払っての体験となる。
ビジネスモデルの観点から言えば、今まで存在しなかった顧客の創造というアプローチになるだろう。