次世代のビジネスモデル・アーキタイプ

最新ビジネスモデルを分析、図解、パターン化してお届けします

Appleのビジネスモデル転換がうまくいくように思えない。

年初からAppleショックとも言える状況が起こっている。最新のハードが売れない。それもそのはず、ここ最近、値段が跳ね上がったにもかかわらず、機能的にはほとんど進歩がない。iPhone Xsの売れ行き不振を受けて、株価が暴落している。

こうした状況は、しかし随分前から想定されていたはずだ。ハードの機能としてサチってしまい、これ以上の高機能化による需要拡大が見込まれないというのは、典型的なイノベーターのジレンマだ。スマホにかわるデバイスとしてApple Watchなどの展開も進めていたが、置き換わるほどのインパクトはない。これから出るであろうメガネ型デバイスも、現在のスマホほどのボリュームにはなりえないだろう。自動車などのモビリティ、ヘルスケアへの展開においては、スマホのようなApple総取りは考えづらく、利益を分け合うようなことになるだろう。

スマホのコモディティ化シナリオに突入する中で、希望となりそうなのがサービス化の流れである。

wired.jp

自社ハード至上主義をすてる兆候はこうしたところにも現れている。

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しかし、このサービスが、決定的に弱い。Apple信者なのでiCloudは使っているものの、メール、カレンダー、マップはグーグルだし、音楽はSpotifyで、動画はNetflix、本はKindleで、テレビ会議はZoomだ。写真管理は最近、Adobeに移行し、いよいよAppleを使わなくなってしまった(Appleの写真アプリは同期が遅すぎる)。ハード(とOS)では快適なAppleが、なぜだかコンテンツプラットフォームなどの世界では、からっきしなのだ。

現状をみるに、正直サービス企業として生き残るのは厳しい。そしてハードはいよいよハードと密接に絡んでいく。AIスピーカーでほとんどシェアが取れないAppleの惨状は、これから出てくるであろう新しいデバイスの未来の姿を予見させるものだろう。

Appleファンとしては、ほんとうにやきもきする。