次世代のビジネスモデル・アーキタイプ

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ジャイアンツのビジネスモデルは限界を迎えている

球団経営もまた、ビジネスモデルが必要である。1975年生まれとしては、1985年の圧倒的な攻撃力を誇ったタイガースの印象が強いが、同様にその後の低迷もまた、印象深い。勝てない状況が続く中で、しかしタイガースファンはむしろ結束を強めていったようにも思う。

一方、ジャイアンツは常勝を求められる。今回、内海投手と長野選手がプロテクトから外れ、炭谷選手、丸選手のFAに伴う人的補償として流出させてしまった。これはひとえに、勝つこと/今後も勝ち続けることを優先した結果のように思う。

しかしこれには大きな負のインパクトもついてまわる。ふたりとも希望してジャイアンツに入団しており、将来は幹部としての活躍も期待されていたはず。そのふたりがはしごを外されるようなかたちで他球団に移籍するということは、「希望して相思相愛でジャイアンツに入団しても将来が約束されない」というシグナルになる。

「常勝軍団」「プロ野球を支える」というようなジャイアンツのポジショニングも、正直、限界が来ている。パ・リーグ人気の高まり、またテレビ放送でのジャイアンツ戦の視聴率低下など、これからは少数のスター球団が引っ張るモデルではなく、Jリーグのように地域に根ざした球団が個性を出し合う場として、盛り上げていく必要があるだろう。その意味で、生え抜きを放出しFAで安易に獲得する姿勢は、球団にとってプラスになるのか不明瞭だ。

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ジャイアンツのビジネスモデルが提供している価値は、昔はスタープレイヤーの華々しい活躍と、圧倒的な強さであった。しかし今求められているのは、若手の成長とベテランらしい活躍、そのふたつがからみあった結果によるその球団らしい勝利、ということになるのではないかと思う。

僕が大好きなチームの一つに、1992年のヤクルトがある。この年、3年目の古田捕手が大活躍を見せた一方、日本シリーズではベテランの杉浦選手の劇的な代打サヨナラホームランが見られた。野村再生工場などと呼ばれ、ベテランを適材適所で活用しながら、若手を育てていった。

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また、地域密着ということで言えば、パ・リーグのチームは総じて、地域との強いつながりがあり、またセ・リーグにしても、関西中心に強い人気を誇るタイガースはもちろん、広島に根ざすカープなども、高い人気を維持している。いろいろなモデルがあるなかで、ジャイアンツが今までどおり、「球界の盟主」というビジネスモデルを維持し続けられるのか、今回のFAの顛末がどのようになるのかにかかっているように思う。